自由な監獄



窓のない部屋 机が壁と背中合わせ
どこにも意識を向かせないよ
その手にある 四角い息をどけて
紙に向かって ガリガリ書いて
そのまま朝を迎えるの
 



どうして こんなに
必死になったって 何にもなりゃしないのに
なんて
そんな疑問も与えないほど
蛍光灯は光る 諌めるように
吸収するように 何を
昨日を 今日を






そして 夜が明けたら
吐き出すの
始まりはいつも吐いてばかりだった







日付は1日
停滞していた水の流れが
堤防を破り 押し寄せる 一気に
これでやっと元通りだ
どこにいたって構やしない







窓のない部屋 においはない
気温もちょうどいい あたたかい
今手にある 四角い意志は
言葉を記し 広めるために手を広げた
ほら 空が白くなっていく
際から白くなっていく 星くずは静かに背を向けた




どうして こんなに
時間をかけたって わかりはしないのに
なんて
そんなボヤきも 飲み込むように
蛍光灯は光る 真っ白に
真っ黒に それとも何か
赤でもない 青でもない 口にしたことのない色に






目が風を通し 思わず目を閉じる
始まりはいつも泣いてばかりだった








終わりはまだ 知らないまま
吐いて 泣いてばかりだった

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